2017年01月31日

親鸞聖人750回大遠忌法要 1

平成28(2016)年11月13日(日)
親鸞聖人750回大遠忌法要


本番2日前。
お役をお願いした子ども達と、お作法の練習をしています。

当日。
朝から着付け。

その後、子ども達が自主練習しています。

あたたかく、とても良いお天気で、ほっとしました。

お寺には、玄関幕、五色幕がかけられました。

受付。
いよいよ始まります。
受付は、若住職のいとこと友達が、
快く引き受けて下さいました。
  

Posted by わか at 16:56Comments(0)TrackBack(0)報恩講

2017年01月24日

未来の住職塾

未来の住職塾

    本科 第五期


 2016年4月~2017年3月まで、一年かけての受講です。

先日、最後のレポート(寺業計画書)を提出し、修了要件を満たしました。
 後は、卒業判定、卒業式を待つ身となりました。

 ここでこの一年を振り返って、まとめてみたいと思います。

 また、これから未来の住職塾の受講を検討されていたり、
塾の評判や評価が気になっている人にも参考としていただければ、ありがたいです。

1)危機感


 13年間の東京での教員生活にピリオドを打ち、名古屋に帰ってお寺に専念するようになったのが、2010年。
 以来、お寺の法務に携わってきましたが、年々減少していく月忌法要(月参り)に、危機感を抱くようになりました。

 社会の変化(長寿化、少子化、共働き増、同居減、独居増、仏事の簡略化等)は、今後のお寺の存続にとって、マイナス要因ばかりのような気がしました。また、私自身の在り方、僧侶とは何をもたらすものなのか、読経しているだけで良いのか、そういった悩みもありました。

 危機感はあるものの、さりとて有効な手立てもなく、衰退を眺めつつ日々を過ごす。毎日が漠然とした不安に覆われていました。そのような日々を数年送った末に出会ったのが、「未来の住職塾」です。


2)出会い

 「未来の住職塾」。初めて聞いた時は、不安を感じました。インターネット上の宗教で、カルト的なものではないか、という先入観がありました。ところが、二つの出来事によって、この塾に近づいていくことになりました。 


 一つは、若坊守(私の配偶者)が、西別院で開催された、
グリーフケアの連続講座(※)
に参加したことです。
 とても素晴らしい内容で、私も共有させていただきました。

 これからの僧侶としての活動に活かしていけば、自分にとっても自分と関わる相手にとっても、良いものをもたらすこと確実な、ありがたい学びでした。
この連続講座の中で「未来の住職塾」へのおすすめがありました。


(※)後に聞いた話では、住職塾二期の卒業式で、リヴオン代表尾角さん(てるみん)の記念講演があり、感動した卒業生達で名古屋に招いて連続研修を受けたそうです。そして、更にすそ野を広げようと開催した連続講座を、若坊守が受講しました。


(以下リヴオンHPより)http://www.live-on.me/
【リヴオンは、代表の尾角光美(おかく・てるみ)が19歳の時に母を自殺で亡くしたのをきっかけにあしなが活動を経て
「いつ、どこで、どのような形で大切な人を亡くしても、その人が必要とするサポートを確実に得られる社会の実現」
を目指して立ち上げた社団法人です。】



 二つ目は、『お寺の教科書』という書籍です。

松本紹圭・井出悦郎著。徳間書店。2013年8月出版。

 気になって、お気に入りに登録はしたものの、買う勇気が出ずに1年以上放置してしまいました。ようやく重い腰を上げ、まず図書館で借りました。
 内容にびっくり。これこそ自分が求めていた内容だ、との思いに、図書館に返却の後、購入させていただきました。
 この本の著者が、

未来の住職塾 塾長、
松本紹圭さん。

一般社団法人お寺の未来 代表理事、
井出悦郎
さんです。


(左が井出さん、右が松本さん)

 お寺の「経営」といっても、闇雲に新しいことをやり、経済的利益を追求するということではありませんでした。そこにあったのは、まず伝統的なお寺の良さを掘り下げ、お寺の目に見えない価値を大切にしつつ、持続可能なお寺の運営について、経営学の手法を参考にしながら考えていこう、という姿勢でした。

 この二つの出来事が、ちょうど同時期に起こり、
ちょうど本科五期の
無料一日体験教室(※)

が西別院で開催されたので、参加できました。
 これらの内容について賛同できたことに加え、塾長が本願寺派僧侶であったことも、私が安心できる要素となりました。

(※)第六期の無料一日体験教室が、2017年2月に全国で開催されます。
http://www.oteranomirai.or.jp/juku/seminar/pre/


 結果、住職・坊守に後押しをもらって、私と若坊守で、二人同時に受講することを決めました。
 二人で受講できたことも、大変有益で、ありがたいことでした。


3)講義

 未来の住職塾 本科第五期 は、10時~16時半の講義を、4、6、9、10、12、1月と全6回。
(第六期は変更になるそうです。)

 初めに示されたのが、未来の住職塾サンガの理念。

「自灯明法灯明」
信念・仏法に照らして思考・行動する、
自立・自律した人間が集うサンガとなる
「自利利他」
縁を大切にし、相互扶助の精神の下、
人間・お寺としての成長に貢献しあうサンガとなる
「衆生済度」
仏教とお寺の可能性を開き続け、
世のため人のために貢献するサンガとなる


 「サンガ」とは、教えを聞く人の集まりのことを指す仏教語ですが、このサンガの理念を見ても、決して独りよがりのものではないことがわかります。

 まず、自分が行動する。
 そして、他人にも良い影響を与え、互いに成長する。
 さらに、社会にはたらきかけ貢献する

 「お寺が活性化することによって、日本全体が元気になる。」

 はじめは夢のような話だと思っていましたが、それは、起きたら忘れてしまう夢ではなくて、行動して実現する夢でした

 今ではそれを本当に目指しています。社会(人々)に良い影響を与えるお寺が増えることによって、より良い人生を生きられる人が増え、より良い社会の実現に貢献できます。

 一つの寺院では無理でも、サンガの仲間の寺院が全国で素晴らしい活動を展開することにより、達成できると思います。


 講師の皆さんは、経営等お寺と違う世界を学ばれてから、
お寺の魅力に出会い
お寺の可能性に人生をかけている方々です。
真剣にお寺に向き合い、お寺の繁栄を願われています。


 毎回の講義は、講師による講義にワークショップを交えます。


 お寺の使命、外部環境分析、お寺の強み(価値)、受け手視点などを、企業経営の考え方をお寺向きに捉えつつ、学んでいきます。

 住職は宗教者でありつつ経営者でもありますが、宗教は本山で学べても経営は学ぶ機会がありません。今まで出会ったことのない考え方は、これからのお寺を考えていくことにあたって、とても大切なことでした。


4)課題

 毎回の講義にあたっては、事前課題と事後課題が出ました。これが大変ですが、やってみるととてもためになりました。

例えば、
「自坊の先代、歴代住職が大切にしてきたことは何ですか」
「お寺の使命についていろいろな人に話を聞いてみましょう」

など。

 住職の話を聞いたり、ご門徒のお話を伺ったり
なかなか大変でした。しかし、こんな機会でなければそんな話はしませんし、ありがたい良い機会となりました。

「ああ、そういうことを大切にされているんだ」

 自分だけではわからない、新たな視点に気づかせていただきました。


5)仲間

 受講生は、大谷派、曹洞宗、日蓮宗、天台宗・・・様々な宗派の方々でした。


 しかし、皆熱い!
 お寺を良くしたい、という思いは共通です。

 すでに様々な取り組みをされているお寺が多く、ただ話しているだけで刺激があり、参考になることが多々ありました。皆が自分だけではなく、
お互いに高めあおうと必死で、

宗派を超えて、協力し、相談できる仲間となりました。
 
 今まで知らなかった、他宗派の考え方を知ることができ、お互いに受け入れ、また浄土真宗の良さを見直すことにもつながりました

 これからのお寺のことを、

熱く何時間も真剣に語る、そんな仲間と出会えたこと

なんてありがたいことでしょう!この仲間と出会えたことだけでも、未来の住職塾、受講して良かったです。
(書きながら感動して、ちょっと涙ぐみました)



 また、過去に卒業された先輩方は、様々な活動をしておられます。
 この人達も熱い!
 会場であった、真宗高田派 久遠寺様、
 おてらおやつクラブなど、
 様々なご縁ができ、また新しいつながりがどんどんできています

これらのつながりをありがたく思い、大切にしていきたいと思います。


6)寺業計画書


 一年間の学びの集大成として、「寺業計画書」を作成しました。

今までのお寺、
今のお寺を見つめ、
これからの目標と、
具体的なプラン
をまとめたものです。

 若坊守と何度も話し合いを重ねながら、目指すべきお寺の姿を考えていきました。また、両親や子どもたち、ご門徒や地域の皆さん、いろいろな方の話も聞きました。
 
 はじめは、雲をつかむようなもので、何をしたら良いのかさっぱりわかりませんでした。しかし、一年の間に少しずつそれが形になってきました。自坊のためにとはじめたことでしたが、

 今では、

お寺が良くなることが、人々(社会)が良くなることにつながる

と考えられるようになりました。


 最終講義は発表です。発表の後に質問やアドバイスを受けました。大局的な指摘、細かい着眼点、具体的な改善策、等いただき、大変ためになる発表でした。他の受講生の発表も大変参考になりました。

発表者のお寺が良くなるようにと、その場にいる皆で考えている

とても素晴らしい空間でした。


 ※発表前、宗門(浄土真宗本願寺派)の『宗報』(2016年11・12月合併号)に特集が載りました。なんと、私たちがやっていることを、宗門がやっていたのです。

 それまで、「大谷派(東本願寺)は宗門を挙げて未来の住職塾に取り組んでいるが、本願寺派(西本願寺)はそのようなことはない」と聞いていたので、驚きました。

 この宗門による分析には、具体的なプランがあり、とても良いと思いました。これらも参考にしつつ、浄土真宗の良いところをあらためて見つめていきたいと思います。




7)未来

 今、発表が終わってホッとする気持ちも大きいですが、それよりも、これからのお寺に向けて、具体的に行動していきたい!という気持ちが強いです。

 この一年間は大きく自分が変化し、成長した一年間でした。ネガティブ思考の私ですが、ポジティブな考え方も持つことができるようになりました。

 「これからのお寺には先がない」から
 「これからのお寺は何でもできる

に変わってきました。

 父の後を継ぎ、住職となるにあたり、自信を持って法務に取り組めるようになってきました。

 今までの伝統を大切にし
 より丁寧な法務を具体的に目指します。
 子どもが集まる取り組みをさらに拡張し、
 世代を越えたつながりの構築を目指します。
 
 また、新しいことにも挑戦し、

お寺に関わることで、幸せになって下さる方を

増やしていきたいと思います。

 お寺は利益を追求する存在ではありません。
 皆様の支援によって成り立ちます。
 人のためにはたらいて、

 人によろこんでいただくことを、自分のよろこびとする、

 そんな人生を歩みたいと思います。
 どうぞこれからもよろしくお願いいたします。

合掌

  

Posted by わか at 20:01Comments(2)TrackBack(0)その他